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乳腺センター
診療の特徴・特色
当院では、2012年に乳腺外科を立ち上げて専門的な診療を開始しました。2019年からは放射線科・病理診断科とともに、乳腺センターとして活動しており、現在は、女性乳腺外科医である石原早希子医師を中心に診療へあたっています。
乳がんの治療は手術、薬物療法(抗がん剤・分子標的治療薬・ホルモン剤)、放射線治療といった様々な方法があり、東京科学大学(旧・東京医科歯科大学)と連携して常に最新の知見と技術をとり入れ、診療を行っています。
治療方法は患者さんの症状やライフスタイルに合わせて決定します。手術は乳房温存手術や全摘手術を行い、センチネルリンパ節生検も積極的に実施し、術後のリンパ浮腫防止に努めております。また小さい良性腫瘍に対しては日帰りの手術を行っております。
薬物療法については、現在保険診療でできる乳がんの治療薬は当院においてもすべて使用できます。外来化学療法室もあり、通院でも安心して負担の少ない治療が継続できるような施設が整っています。放射線診断は、読影認定医が診断を行います。放射線治療は放射線治療専門の医師が担当し、他院での乳房温存手術後の放射線治療も受け付けています。
当院での乳房再建手術はまだ整備段階です。同時再建をご希望の場合、東京科学大学やがん診療連携拠点病院と連携して対応します。
診療実績
2019年の乳がん手術は54件でした。そのうち乳房温存手術が24件、乳房全摘手術が30件でした。当院の特徴としては全国平均と比べると高齢の患者さんが多く、ややステージが進行している患者さんが多い傾向にあります。乳がんは早期発見をすれば予後の良いがんのうちの一つです。しこりなどの自覚症状がある方は早めに医療機関を受診するようにましょう。外来診療体制
現在は月曜日午前と木曜日午後を石原医師が担当し、木曜日の午後は東京科学大学の医師が診療します。また地域の病院と医療連携を行っておりますので、まず近くの乳腺外科を受診し、必要に応じて当院を紹介受診されることも可能です。
乳がんについて
乳がんは日本人女性の生涯あたり約11人に1人ほどの割合で乳がんが発生すると言われています。2015年の年間発症者数が93,000人で、胃がんや大腸がんを抜いて女性のがん罹患率の第1位を占めていて現在も毎年増加の一途をたどっています。そして、2017年には約14,200人の方が乳がんによって亡くなりました。従って、女性における乳がんの対策はかなり重要であると言えます。
埼玉県はがん検診率が高くなく、乳がん検診に関して2016年の統計によると全国で36.9%に対して35.1%とやや低い結果でした。検診を積極的に受診しましょう。
乳がんのリスクについてはまず生活習慣や環境因子によるものと家族歴などによるものとで分かれます。生活習慣ではアルコールや喫煙、肥満でリスクが上がることが確認されております。しかし最近言われている乳製品を多く摂取するとリスクが上がることや大豆イソフラボンでリスクが下がるといったことは証明されていません。また、授乳経験があるとリスクは下がりますが、乳腺炎の既往や乳腺症や繊維線種などの良性疾患でリスクが増えることはありません。
家族歴について第1度近親者(親、姉妹、子)に乳がんの方がいる場合はリスクが2倍、2人以上いる場合は3.6倍と言われています。乳がんの遺伝についてはHBOC(遺伝性乳癌卵巣癌症候群)がありますが、全乳がんの1%程度であり多くはありません。
乳がんで検診した患者さんの症状として一番多いのが乳房のしこりでおよそ8割を占めています。次が検診や他の検査で偶然見つかった方が1割程度で、多くの患者さんには自覚症状はありません。そのほか、皮膚の引き連れや乳頭からの出血、腋の下のしこりから乳がんが見つかる患者さんもいらっしゃいます。
しこりががんであった場合放置してしまうとがんが皮膚から露出し出血や悪臭を引き起こしたり、がんが転移して治すことができなくなってしまったりすることもあるため、しこり(特に閉経後の方)がある場合は早めの受診をお勧めします。
医師紹介
役職 | 氏名 | 専門分野 | 専門医資格 |
---|---|---|---|
外科 医長 |
石原 早希子 (いしはら さきこ) |
乳腺外科 | 日本外科学会認定外科専門医 日本乳癌学会認定乳腺専門医 |
病理診断科 副部長 |
阿部 志保 (あべ しほ) |
日本病理学会認定病理専門医 日本臨床細胞学会認定細胞診専門医 |