トップページ > 診療科・部門 > 医療技術部 > MEセンター
MEセンター
業務内容
医療機器の操作及び保守管理を担当業務としています。近年、医療の高度化に伴い、先進的な医療機器が導入され続けています。それらを安全かつ効果的にサポートしていくために、臨床工学技士国家資格の他に専門・認定資格を取得し、診療部及び看護部門を専門的に支援しています。
また、チーム医療を円滑に遂行し、治療、療養の質を向上させるために、各臨床分野にセキュリティー機能の高い部門システム、ソフトアウェアを導入し医療DXを進めています。そうすることにより医療機器と連携、各部門記録、データ管理、診療材料、薬剤、診療報酬等の一括管理が可能であり、更に電子カルテと連動することにより、スタッフの情報共有を図ることができています。
専門資格
- 臨床ME専門認定士 2名
- 専門呼吸治療臨床工学技士 1名
- 専門血液浄化臨床工学技士 3名
- 専門不整脈治療臨床工学技士 2名
- 専門心・血管カテーテル臨床工学技士 1名
認定資格
- 認定血液浄化臨床工学技士 2名
- 認定医療機器管理臨床工学技士 1名
- 体外循環技術認定士 2名
- 植込み型心臓不整脈デバイス認定士 4名
- 心血管インターベンション技士 4名
- 3学会合同呼吸療法認定士 2名
検定資格
- 心電図検定1級 3名
- 第1種ME技術実力検定 2名
- MDIC検定 1名
専門・認定資格の取得支援
医師、看護師と共に、高度で質の高い医療を構築していくため、各分野における専門知識は必須であり、ガイドラインやエビデンスを基礎とした医療の提供を目指しています。また、日々進歩していく医療に伴い、知識・技術も学び続けていく必要があります。そのためには、更新制度のある専門認定資格の取得及び、その分野での活躍を支援しています。 実際に専門臨床工学技士は、当該分野での高いリーダーシップを発揮し、医師、診療看護師等とコミュニケーションを取りながら、最良な医療を提供しています。
血液浄化業務
腎センターでは腎臓内科医6名、専任臨床工学科技士7名、専任看護師12名で業務を担当しています。血液透析ベッド40床、外来血液透析は月・水・金と火・木・土のサイクルで治療を行い、月・水・金は午前9時からと午後3時からの2クール体制、火・木・土は午前9時から1クール体制で治療を行っています。周術期等の重症例はHCU内で出張透析やアフェレーシス装置を使用した持続緩徐式血液濾過透析療法(CRRT)を行います。血液透析以外の各種血液浄化療法を実施しており、血漿交換療法(PE)、LDL吸着療法、腹水濾過濃縮再静注法(CART)、顆粒球吸着療法(GMA)、エンドトキシン吸着カラムを使用した直接血液還流法を施行しています。腎臓内科医、専任看護師、専門血液浄化臨床工学技士資格を有する専任臨床工学技士が連携し、食事・飲水教育を継続することで、維持血液透析ガイドラインが定める透析効率Kt/Vsp≧1.2を外来症例の100%(2016年全国平均86.7%)に実施し、体重増加<6%の症例は84.7%(同平均値84.1%)、除水速度15mL/Kg/時≦の症例は88.1%と、安全で質の高い医療の提供を第一に取り組んでいます。
アブレーション業務
専門不整脈治療臨床工学技士及び心電図検定1級を取得した技士を中心に3D-CARTOシステム、3D-EnSiteシステム、パルスフィールドシステム、電気生理検査解析装置、冷凍アブレーション装置、スティムレーター、高周波焼灼装置、心腔内除細動装置などの操作及び解析を行い、不整脈専門医の高度な治療が安全、確実に行えるように支援しています。また、各医療機器の画面表示は、データを把握しやすく視認性を重視した画面レイアウトとし、加えてマルチディスプレイを採用し、複数人で操作しやすく高い視認性の安全なユニットを構築しています。また、治療中は専門医と臨床工学技士の距離が最短となるユニット配置とし、レスポンスの速いコミュニケーションを取りながらの治療に心掛けています。
植込み型心臓不整脈デバイス業務
専門不整脈治療臨床工学技士及び心電図検定1級を取得した技士を中心に、ペースメーカー、リードレスペースメーカー、ICD、CRTに関わる業務に医師と共に携わり、各デバイスのチェック及び設定変更、遠隔データの解析など、医師と協力して、治療の補助を行っています。また、新たに循環器科医師と協力し、CRT外来を立ち上げ、より良いQOLを得られるように設定の変更、調整、指導、相談を行い、質の高い診療に寄与しています。これらは、チーム医療のスタッフが情報を共有しやすいように、電子カルテと連携する台帳型部門システムを使用し、データを一括管理しています。
心臓カテーテル関連業務
心筋梗塞などの緊急カテーテル治療、PCI、CAGなどに携わり、画像診断機器として、IVUS、OCT、FFRアンギオ、圧解析としてポリグラフ、iFRcoregistration、治療デバイスとして、DCA、Rotablator、ダイヤモンドバック、IVL、エキシマレーザーなどを駆使し、専門医による高度治療が安全、確実に進むように循環器科を支援しています。また、チーム医療を支える部門システムを導入しており、医師、看護師、放射線技師、臨床工学技士が情報共有できるように、動画情報、画像情報、各科記録、解析データ、使用デバイスなどを一括管理及び電子カルテと連動させることにより、高度治療及び心臓・脳血管センターにおける急性期血管治療を支えています。
人工心肺関連業務
体外循環技術認定士を中心に心臓血管外科手術の際に使用する人工心肺装置や心筋保護液注入装置、自己血回収装置などの操作をしています。また、人工心肺装置、生体情報モニター、麻酔器、HMSなどが自動取込される部門システムにより、麻酔記録、看護記録、人工心肺記録が共有、一括管理されています。
手術支援ロボット関連業務
2023年4月より、手術支援ロボットが導入され、医師、看護師、臨床工学技士が協力し、業務を遂行しています。
集中治療・人工呼吸業務
高度治療室で使用される人工呼吸器、IABP、ECMO、連続血液ガス測定装置、CHDF、体外式ペースメーカー、心拍出量計など、看護師と協力し、医師からの指示と機器動作の確認、及び安全使用の継続に努めています。これら医療機器の数値データは、電子カルテに自動取得され管理されており、院内どこからでもパスワード管理された電子カルテから、医療機器の作動状況、臨床数値データが確認できます。また、電子カルテ連動型の医療機器管理システムを使用し、朝の定時カンファレンスで、問題点などを検討、協議しています。 

医療機器中央管理業務
医療機器安全管理責任者、臨床ME専門認定士指示のもと、院内で使用される医療機器を一括管理しており、使用中の医療機器は、看護師と共に使用中点検を行い、且つ医療スタッフが医療機器を熟知し、安全に使用できるように環境を整えています。院内教育では病院機能評価基準に遵守した人工呼吸器、除細動器等の講習会を実施しています。
教育・研修
院内BLS・ICLS講習でのインスタラクター活動、新入職看護師への機器講習会、また、看護部と連携を図りながら、医療機器に関する知識、技術の向上に努めています。
SDGsへの貢献
アブレーション業務で使用しているアブレーションカテーテル全般には、レアメタルが多く含まれています。これらは従来、治療終了後には医療廃棄物として全て廃棄していました。外務省が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の目標12.2「天然資源を持続可能な管理及び効率的な利用を達成する」を受けて2023年度からは臨床工学技士でアブレーションカテーテルの回収、及びリサイクル業者へレアメタル回収を依頼しています。天然資源の再利用に貢献すると共に、医療廃棄物を減らし環境負荷にも配慮しSDGsへ貢献しています。

